こんにちは、とぉです。
ブログを書き始めると必ずと言っていいほど、文章力の問題に直面しますよね。
もっとわかりやすい文章を書きたいけど、どうすれば伝わるかな。。
私もそんな壁に直面して、とある書籍に辿り着きました。
今回は「新しい文章力の教室」を読んだので、分かりやすく要約してみました。
文章書く方は絶対に読んでおきたい書籍です。
\ 本記事はこんな方におすすめ /
- 文章の構成力を身につけたい!
- 「伝わる」文章の型を知りたい!
- スラスラと文章が書けるようになりたい!
- 書名:新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
- 著者:唐木 元
- 出版月:2015年8月11日 初版発行
- 出版社:できるビジネス
- 定価:¥1,300+税
著者の唐木さんはナタリーの元編集長で、ナタリーの明快で読みやすいニュース情報の礎を築き上げてきた方です。ナタリーとはポップカルチャーのニュースサイトで、1日にに120〜150本、月に3000本を超える記事を発信しています。
本書は、著者が新入社員に向けた研修の内容をそのまま書籍用に改編して、ノウハウをみっちりと詰め込んだ1冊となっています。
文章力を上げるテクニックが全部で77つに分けて書かれています。わかりやすく例文も添えて書かれていて、全てを紹介したいのですが、今回は1章につき大体3テクニックだけを厳選して紹介します。
この本を読んだ動機
有名ブロガーさんや、YouTuberなど、多くの人がお勧めしていて気になっていました。丁度ブログを始めたいと思っていた頃で文章力を身につけたいと思っていたのでKindleでぽちっと。
前評判が良くて楽しみに読んでみたら、とても実践的で「これは文章力どんどん上がりそうだ」と確信しました。
ここから以下要約になります!
良い文章とは何か
本書の構成は
- 書く前に準備する
- 読み返して直す
- もっと明快に
- もっとスムーズに
- 読んでもらう工夫
となっていますが、まず大前提として「良い文章とは何か」がいちばん初めに問われます。
そして本書では完読される文章を良い文章と定義しています。
読まれるために必要なものを揃え、不要なものは削ぎ落としていく、そういった作業を繰り返すことで、完読される文章は作られていきます。
その過程ひとつひとつを概念から学び、読み返し、修正、創意工夫と順を追って学べるのが本書の良いところだと思います。
書く前に準備する
完読を目指して文章を磨いていくためには、文章の構成が非常に重要です。書く前の準備は良い文章を書くために必須の作業です。
文章のプラモデルをつくる
本書ではとても分かりやすい例えが用いられています。
丸太とノミを渡されてガンダムをつくってください、と言われてもだと悩むと思いますが、ガンダムのプラモデルを渡されてガンダムつくってくださいと言われたらスムーズに完成させることができますよね。
文章も同じで、文章を構成する要素を初めに準備することによって文章力は格段に上がります。もちろん文章をつくりあげるスピードも早くなるでしょう。
具体的には書き始める前に
- どんなことを伝える文章なのか
- 何を書くか
- どれから書くか
- どこをに重点を置いて書くか
をあらかじめ書き出しておきましょう。これらは次項で紹介する「主題と骨子」となっています。
主眼と骨子
主眼と骨組みとは以下の通りです
- 主眼はテーマ
- 骨子は主眼を達成する為の骨組み
少しわかりづらいと思うので、具体例をみてみましょう
- 山田田中が限定100人の夜桜鑑賞トークショーを上野公園開催
- 山田田中がトークショーを行う
- 上野公園で夜桜鑑賞しながら聴くことができる
- 限定100人のチケットはオンライン限定で抽選販売価格は1枚¥10,000
- 主眼と骨子は文章を構成する軸となる要素です。
テーマである主眼は、さらに言い換えれば「コンセプト、切り口」。一つの事実とってみても切り口が異なれば、内容は異なりオリジナリティがでます。
骨子は
- 要素 = 何を
- 順番 = どれから
- 軽重 = どのくらい
で成り立っています。テーマを構成するパーツとなります。
このテーマとパーツのふたつの要素を、文章を書く前に書き出してプラモデル状にしていくことが大切です。
基本構成はサビ頭
文章の構成順の例として挙げられるのが「サビ頭」です。これは音楽でいう、曲の始まりがサビから始まることを指しますが、文章で言えば「大事な話題から言う」つまり結論を文章の頭に持ってくる構成です。
- 結論
- 問題提起
- 状況説明
- 付帯情報
文章を終わりまで読みたいと思ってもらうには、魅力的な部分を初めに持ってくるのが効果的です。初めに興味をグイッと引きつけ、関心をキープしたまま完読してもらうのが、ネット時代に必要な文章力です。
これらの準備を経て、文章を組み上げて繋げることで、言いたいことのブレない文章、伝わりやすい文章、完読される文章はつくられます。
読み返して直す
文章を意味、字面、語呂の3つの点から読み返し修正を加えることで、文章はどんどん磨かれていきます。文章を磨き上げて、文章力をあげれば完読される良い文章に更に近づいていきます。
重複チェックをはじめに
ナタリーのゼミでは、重複チェックから始めるように指導されています。重複には
- 単語レベル
- 文節レベル
- 文型レベル
- 段落レベル
- 記事レベル
とあらゆるスケールでの重複があります。いくつか例を挙げます。
文末の重複
「〜しました。〜しました。〜しました。」のような文末の重複は、なんだか小学生の日記のような印象を持つかと思います。このように文末の重複は幼稚な印象や単調さを生み、完読の妨げにもなるので、修正した方が良いでしょう。
体言止めの連続
「天気は快晴。運動会が開催。全校生徒300名が校庭を周回ダンス。」このような体言止めの連続は少しぶっきらぼうな印象を受けます。なんかラップみたいでいい感じに聞こえなくもないですが。。
→「天気が快晴なので、運動会は開催されます。全校生徒300名が校庭を周回してダンスを踊ります。」丁寧な言い回しで、読者の関心をキープできる文章に直すと良いですね。
係り受けを整理する
係り受けとは「主語、述語、修飾語のように係る言葉と受ける言葉の関係性のこと」です。
赤い林檎が大きな籠に入っている。
入っているのはりんご、大きいのは籠、それぞれ係っている言葉と受けている言葉があります。しっかりと理解して、整理していくことでどんどん分かりやすい文章になっていきます。
係り受けを整理するには、単文、重文、復文を理解すると良いでしょう。
- 単文 : 私はお酒を注ぎました。
- 重文 : 私はお酒を注ぎ、あなたは話をしました。
- 復文 : 私はあなたが飲み干すのを眺めました。
それぞれ構成が
- 単文 : 「主語+述語」
- 重文 : 「主語+述語」、「主語+述語」
- 復文 : 「従属節(主語+述語)」+「主節(主語+述語)」
となっています。係り受けを整理する際には、込み入った文章を一度単文に直すと良いです。
- あなたは私が注いだお酒を飲み「好きなお酒はウイスキー」と話をして、私はそんなあなたを眺めていました
- 単文に直す→あなたはお酒を飲みました。あなたは「好きなお酒はウィスキー」と話をしました。私はそんなあなたを眺めていました。
ナタリー式ではいかに短い時間で適切な情報を伝えられるかがポイントです。重複した文章は基本的には必要なく、余計なものを削ぎ落とすことで、読者の興味を絶やすことなく、完読してもらえる文章に仕上がっていきます。
修正したら必ず冒頭から読み返す
文章の一部を修正すると、そこだけ読み返せば見直し完了、ということにはなりません。前後関係や、全体のバランスなども変わってきます。常に読者目線を意識して、修正を加えたら初めから読み返すようにしましょう。
もっと明快に
いかに読者に負担をかけずに、文章を完読してもらえるか、それを突き詰めましょう。分かりずらい文章や言い回し、不要な言葉などを見つけましょう。
余計なことを言っていないか
- 脱線していないか
- 逆説以外の「が、」
- エクスキューズ
- メタ言及
- 定型分、慣用句
脱線していないか:「ちなみに」や「余談ですが」という言葉と共に話を脱線させては、読者を混乱させてしまいます。
逆説以外の「が、」:逆説でない「が、」で終わる文節は丸ごとなくしても意味が通じる場合があります。「この数週間自宅でゆっくりと過ごせていないが、今週末は久しぶりに休みだ。」の「この数週間自宅でゆっくりと過ごせていないが、」の部分はなくしても意味が通じます。不要ならなくしてしまったほうが、良いでしょう。
エクスキューズ:「あくまで個人としての意見ということを強調しておきたいが」、「合わない方もいるとは思うが」などの言い訳文や前置きを使うと、文章はどんどん脆弱になっていきます。こういった言い訳文は勇気を持って削りましょう。読者に負担をかけ、読む時間も大きく奪ってしまいます。また、そもそも不確かなことや断定できないことは書かない方が良いでしょう。
メタ言及:「注目すべきは」「私の知る限りでは」「繰り返しになるが」のように、文中で文の読み方についてを誘導したり細く説明したりする言葉です。押し付けがましい文章になるので、必要最低限で良いでしょう。
定型分、慣用句:もっともらしさだけが欲しくてただ考えもなく置かれた言葉は、読者を白けさせます。ありふれた定型文や慣用句を使用するときは注意しましょう。ほとんどの場合これらは不要です。
係り受けの距離を近づける
- 「私はあなたが昨日食べた焼肉を美味しいと言ってくれたことが嬉しい」
- 「あなたが昨日食べた焼肉を美味しいと言ってくれて、私は嬉しい、」
ふたつ目の文章の方が何が言いたいかが文末でまとまっていて、分かりやすいと思います。前項でも触れた係り受けの距離を近づけることで、読者が迷わず文章を読み進めることができます。
受動と能動をはっきりさせる
- 明日ワンピース100巻が発売する。→ 本が能動で表現されることは基本的にない
- 明日ワンピース100巻が発売される。→ 本は発売されるものである
本は自ら発売しません。受動と能動をはっきりしないことも、読者を迷わす原因になります。
もっとスムーズに
文章には品の良さも必要で、丁寧な言葉遣いでしっかり伝えることも大切です。また、適切な文章スピード感も完読してもらえる文章には必要な要素なのです。
文章のスピード感とは
文章のスピード感=情報量/文字数
- その本は7月5日に発売される。(15文字)
- その本は7月5日発売。(11文字)
下の例文の方が、同じことを言うのに要した文字数が少ないので、スピード感の高い文章になります。読者はスピード感が遅すぎたら読むのをやめてしまいます。反対に、早すぎてもぶっきらぼうすぎるので、完読には適正なスピード感が重要です。
まずはスピード感が出せるようになったら、コントロール出来るようにして、適切なスピードで文章を書いていきましょう。
ぼんやりワードを具体的に
- 企画
- 作品
- 番組
- プロジェクト
他にもありますが、これらのワードは少々具体性に欠けます。汎用性は高いですが、文章そのものに内容が伴わなかったり、本来必要な情報を濁してしまいます。ぼんやりワードは可能な限り具体的に書けば、読み心地の良い文章になります。
- △ 篠山紀信の作品が東京都写真美術館で展示される。
- ◯ 篠山紀信の個性派女優を題材にしたポートレート写真が東京都写真美術館で展示される。
なんとなくのつなぎ言葉を使わない
- お弁当は温めますか。
- お弁当のほうは温めますか。(「ほう」は口語的で必要ない)
上記の例ではお弁当〜の後に続く「ほう」が口語的な表現で、文章においては読みやすさを損ないます。このような言葉は完読される文章には必要ないです。
- 今日は雨でした、逆に明日は晴れです。
- 今日は雨でした、明日は晴れです。
逆説的でない「で」は意味を不明瞭にし混乱させます。このような一見細かい部分も、読者が文章をスムーズに読むことの妨げとなります。
読んでもらう工夫
さまざまな種類の文章に対応するテクニックを紹介
具体的なエピソードを書く
独自性は強いオリジナリティを生みます。
客殿が落ち、会場は真っ暗闇に包まれた。「トウキョウ〜!」と小沢の第一声が闇の中響き渡る。割れんばかりの歓声がやまぬうち、1曲目「流れ星ビバップ」のイントロが始まった。イントロが終わっても、何一つ照明が焚かれる気配はない。歌は1番、2番と進み、とうとう真っ暗闇のままで1曲が終わってしまった。
上記の文章では、事実の積み重ねが臨場感を生み、それがそのまま読者の興味を惹く効果を生んでいます。こういった分とは対照的に、感想や主観的な内容は読者を白けさせるので控えましょう。
あえて閉じた言葉で読者との距離を縮める
- △ エヴァ脱出ゲームに参加しよう
- ◯ エヴァ脱出ゲームから逃げちゃダメだ!
- △ 君もマジンガーZに乗り込もう!
- ◯ 君もマジンガーZにパイルダーオン!
このように特定の言葉を使って距離感を縮め、親密さを生むことは読者に文章を読んでもらう引き出しになります。効果的に使えば最後まで読んでもらえるきっかけにもなりそうです。
私は、マジンガーZは知らないけどエヴァ知っていて、エヴァで閉じた文章使われていると「おぉ!」と興味が湧き惹きつけられます。逆に、マジンガーZをご存知の方は「パイルダーオン!」が上記の文節で使われていると、関心が高まるのでしょうね。
数字を入れると具体性が増す
- △ 彼にとって久しぶりの野外ライブとなる
- ◯ 彼にとって20年ぶりの野外ライブとなる。
具体性が増して訴求力のある文章になります。またビジュアル的にも字面が明快になるので、伝わりやすい文章になり、読んでもらいやすくなりますね。
まとめと感想
- 良い文章とは感読される文章
- 文章のプラモデルをつくる
- 意味、字面、語呂の観点から読み返し、修正する
- 読者に負担をかけずに完読してもらう明快な文章をつくる
- 読んでもらう工夫を加える
ナタリー流と謳うだけあって、事実をわかりやすく伝える書き方に特化して、学習することができます。
読者を惹きつける魅力をアップさせる、とかユーモアのある言い回しなどを学習したい方は、読んでいてぶっきらぼうな文章だと思ってしまうかもしれません。ですが、読み手のことを第一に考えて書かれた文章は、とても魅力あるものになります。
分かりやすい文章について書かれているだけあって、書籍の構成は非常に明快ですね。この書籍を元に、自分の書いた文章を書き直してみたり、新たに文章を書いてみたりして、読者の反応に変化が起こるか、完読されるか、試してみたくなりますね。
ブログを書いていると、アナリティクスで読者の動きが見れたり、アフィリエイトで商品の価値を伝えるトレーニングをしたりします。「新しい文章力の教室」は文章を用いて伝えるお仕事をしている方にぜひ読んでほしい書籍です。
ではまたっ